「パルプ・フィクション」を最初に観たとき、 「なんちゅうオサレな映画が上陸してきたもんだ…」 と、しばし呆然とした。 クエンティン・タランティーノ監督の掟破りな映画表現に、「ウカウカシテイラレマヘン」と気を揉んだ映画制作者たちは多いのではないだろうか。 ギャングのボス・マーセルズの妻、ミア・ウォレス(ユマ・サーマン)と、そのマーセルズの部下であるビンセント・ベガ(ジョン・トラボルタ)が食事をするシーンは特に好きだ。 マリリン・モンロー、バディー・ホリー、ジェーン・マンスフィールド、ジェームス・ディーン…そのそっくりさんで店内は埋め尽くされ、オーダーをとってくれる。 ミアたちのテーブル担当はバディー・ホリー。 実はこの役をあの「ヘンな顔俳優」スティーブ・ブシェミが演じていたことは有名なハナシ ステーキ大好きビンセントがオーダーしたのは「ダグラス・サーク・ステーキ」と「ヴァニラ・コーク」。 ミアは「ダーワード・カービイ・バーガー」と「5ドルもするシェイク」。 5ドルというのはシェイクには破格のお値段らしく、ビンセントはすかさず「バーボンかなにか入ってるんじゃないの?」と興味津々。 「ちょっと味見させて」とビンセント。ミアは「Be my guest(どうぞ)」と優しくビンセントにシェイクを差し出すのだ。 ああ、私も飲んでみたい!どんな味なんだ?? 私がアメリカという国を好きになり、アメリカ中を旅するきっかけのひとつとなったのは、明らかにこの映画だ。 この映画のサントラも好きで、車などで聴くとたまらなくアメリカが恋しくなる。 この映画の根底にある「アメリカ社会への風刺」は、逆の意味で私にはプラスに作用した。「アメリカへの憧れ」を決定的なものにしたからだ。 「銃社会」「ドラッグ」「人種差別」「暴力」…てんこもりのこの映画。闇社会を照らすタランティーノのセンスバツグンのユーモアは、遠い日本で、そして世界中で、あらゆる人種を蹴散らしながら多くのファンの心を掴んだのではないだろうか。 「パルプ・フィクション」
by fonda127
| 2007-03-23 01:56
| 映画
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