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  旅する女/シャーリー・バレンタイン  


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自分の人生に恋する旅

シャーリー・バレンタイン(ポーリン・コリンズ)はロンドンで暮らす平凡な42歳の主婦。
2人の子供たちを育て上げ、今は夫婦ふたりで暮らしている。
子供たちはもう母親を必要とはせず、夫との愛も冷め切っていた。
毎日の家事、毎日の買い物、毎日の食事の支度…繰り返される日々に疲れきっていた。
シャーリーの唯一の話し相手はキッチンの壁。
ワイン片手にじゃがいもの皮を剥きながら、シャーリーはキッチンの壁に問いかける。
「子どもが大きくなったら別れようと思っていた。だけど、今更どこへ?」…キッチンの壁は黙ってシャーリーの愚痴を聞いてくれた。
もちろん答えはないが、シャーリーの心はいくぶんか慰められていたのである。


シャーリーの女友達のジェーン(アリスン・ステッドマン)が懸賞でギリシャ旅行が当たったから一緒に行こうとシャーリーに話を持ちかける。
最初は迷ったシャーリーだったが、「食事はまだか?」しか言わなくなった夫にうんざりし、「わたしは42歳のオバンじゃない! まだ42歳よ!」と決意も新たにギリシャへ旅に出る。

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そんなシャーリーだったがひょんなことからギリシャ男に恋をし、抱かれてしまう。
突如燃え上がった恋の炎がシャーリーを包む。
帰国の日、シャーリーは何もかも捨ててギリシャにとどまることを決意した。
ところがそのギリシャ男がシャーリーにささやいた同じ口説き文句で別の女性を誘惑しているところを目撃してしまう…。

でもその瞬間、シャーリーは気付くのだ。
自分はその男に恋をしていたわけじゃない。
夢見る自分に、自分の人生に恋していたことに。
恋の相手はまぎれもなく自分自身だったのだ。

人を愛するには、まず自分自身を愛することだ………口に出すのは簡単だが、これって結構難しい。
なにが難しいって、人はなかなか自分を愛することができないからだ。

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“自分とはなにか”…旅に出たシャーリーは、自分は妻でも母でもない、ひとりのシャーリー・バレンタインという名を持つ女であることに気付くのである。
道標を見つけたシャーリーはここギリシャの地で生きていくことを決意する。
エーゲ海に沈む美しい夕日を眺めながらワインを飲むシャーリー…自分を見つけたシャーリーは、自分の人生を歩き出したのだ。
by fonda127 | 2006-08-07 00:05 | 映画 ▲Top
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