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  美しさも醜さもすべてが私…ベティ・デイビス  


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マドンナの「VOGUE」の歌詞にも登場するベティ・デイビス…現代のいわゆる強い女性の圧倒的な支持を得る、「ハリウッドのファースト・レディ」とも呼ばれた往年の大女優。
映画人生の中で美しさも醜さもすべて表現しきった希有の名女優だ。
ハリウッドの30年代、男性スターだけでなく、女性スターを必要としていたこの時代、美しいだけの飾りものの女優ではなく、ハリウッドをリードできるパワーのある女優が望まれた。
他の女優が決して演りたがらない難役、汚れ役にも果敢に挑戦。
迫真の演技で見事に演じきれるのがベティ・デイビス。
『半分は天使、半分は妖婦、そしてすべてが女性』というキャッチフレーズどおり、女の魔性を鮮烈に体現しつづけた。
容色の衰えを恐れ隠遁生活に入る女優や、キャリアの崩壊を待つのみの女優が多かったこの時代、ベティ・デイビスは違う。
美しいときも、醜いときも、ありのままの自分で打ち込める映画に出会うべくして出会ってゆく。


美しさも醜さもすべてが私…ベティ・デイビス_b0093261_2329895.jpg何がジェーンに起こったか?(1962)
WHAT EVER HAPPENED TO BABY JANE?
監督、製作: ロバート・アルドリッチ
主演: ベティ・デイビス、ジョーン・クロフォード

過去の栄光を汚すとまで批判されたこの映画では、みずから醜悪な老女のメイキャップを施す。
内面的にも歪みきった中年女性の凄まじい執念を全身で演じきり、54歳にして堂々アカデミー主演女優賞ノミネート。
ベティ・デイビス演じるジェーンは、子役スターだった頃の栄光が忘れられず、子役時代の衣装を着、可愛い顔を作って歌う…その姿はアメリカ映画史上最も醜い女性、の烙印まで押されてしまう。
開き直りなんかでは決してない。
それは役づくりへの飽くなき執念だった。

by fonda127 | 2006-08-10 00:02 | 映画 ▲Top
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