『パリ、テキサス』という映画のナスターシャ・キンスキー。
この振り返っている写真がとても好きで、なにかの拍子に思い出したりすると、胸がせつなくなったりする。
すごくいい写真だ。
映画の中のナスターシャ・キンスキーもとても妖艶で、夫トラヴィスとのマジック・ミラーを隔てたシーンが心に焼き付いている。
アメリカ、テキサスに存在するという地「パリ」…色彩が美しく描かれるこの映画は“ここではない、どこか”を求めたロード・ムービー。
孤独や喪失感、心の内部を揺さぶる映像美と音楽、ヴィム・ヴェンダース監督の最高傑作。
何かを失うということは、心の欠片を“ここではない、どこか”に置いてくることなのかも…。